DTP技能試験「DTPエキスパート」が転職で役に立たない理由とは?

DTP技能試験「DTPエキスパート」が転職で役に立たない理由とは?

DTPエキスパートとは、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)が認定する資格。印刷物や出版物などのデザイン・編集・製版・印刷・加工に関連する知識や技術を有することを証明することができます。おそらくDTPを実務としている人なら殆どの場合は合格できると思われます。以前、管理人も資格者でしたが、あまりにも役に立たないので更新しなかった経験があります。

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DTPエキスパートとは?


DTPエキスパートとは、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)が認定する資格で、印刷物や出版物などのデザイン・編集・製版・印刷・加工に関連する知識や技術を有することを証明する資格です。

 

DTPエキスパートの資格には、学科試験のみで取得できる「DTPエキスパート」と、学科試験と実技試験の両方を受験して取得できる「DTPエキスパート・マイスター」の2種類があります。

 

学科試験のみ DTPエキスパート
学科試験と実技試験 DTPエキスパート・マイスター

 

資格を取得すると、印刷・出版・デザイン分野で仕事をするための知識を身につけることができ、印刷データ制作の品質向上や新しい技術の取得・提案・提供などにつながります。

DTPエキスパートのカリキュラムでは、印刷物製作に必要な知識が体系化されており、DTP用ソフトウェアの操作やデジタルカメラ、色管理、コンピュータの知識、印刷工程の基礎知識などが含まれており、資格は2年に1度更新する必要があります。

 

資格の更新 2年に1度

 

「DTPエキスパート」が転職で役に立たない理由については、いくつかの要因が考えられます。DTP(デスクトップパブリッシング)分野は、技術や市場の変化が早いため、特定の専門知識が転職市場で不利に働くこともあります。以下にその理由を挙げてみます。

 

業界の変化と技術革新

DTPの技術は、過去数十年で大きく進化してきました。かつてはAdobe InDesignやQuarkXPressなどのデスクトップパブリッシングソフトウェアを使って印刷物のレイアウトやデザインを行うことが主流でしたが、現在ではWebデザインやデジタルメディア、モバイルアプリ、SNS向けのデザインなど、仕事の範囲が広がり、DTPに特化した技術だけでは不十分になることがあります。つまり、DTPに関するスキルが特化しすぎていると、現代の多様なデザイン業務に対応するのが難しくなります。

 

デジタルメディアとWebデザインの需要

デザイン業界では、従来の印刷物中心のDTPスキルよりも、WebデザインやUI/UXデザインの需要が高まっています。特に、HTML、CSS、JavaScriptなどのウェブ技術や、UX/UIの理解が求められることが多く、DTPだけに特化したスキルセットではそれらの分野に転職するのが難しい場合があります。

 

ソフトウェアの進化とツールの標準化

DTPで使われるソフトウェア(例えばAdobe製品)のツールが進化する一方で、ツールの使用方法は非常に普遍的であるため、特定のソフトに関する「エキスパート」としてのスキルは、あまり特別感を持たれにくくなっています。多くの企業では、特定のソフトを使いこなせる人材よりも、デザイン全般に精通し、幅広いツールに対応できるスキルを持った人材を求めているため、DTPエキスパートとしての経験がそのまま活かせる場面は限られます。

 

求人市場での競争

転職市場では、DTPスキルに特化した人材は比較的限られており、特に専門的な技術よりも、広範囲に対応できるデザインスキルや他の関連分野(マーケティング、プロジェクトマネジメント、デジタルメディアの知識など)を持つ人材が求められる傾向があります。DTPエキスパートはこれらのスキルを補完する形で新しい分野にチャレンジする必要がありますが、転職時にはこの補完がうまくいかないことがあるため、ポテンシャルを活かしにくい場合があります。

 

業界の縮小

DTP分野は、特に印刷業界や出版業界での需要が減少しており、デジタルメディアの台頭や企業のコスト削減の影響を受けています。これにより、DTP専門のポジションが減少し、DTPエキスパートが転職先を見つけるのが難しくなります。特に、フリーランスや個人事業主として働いている場合、競争が激しくなる傾向もあります。

 

6. 業界間のスキルギャップ

DTPエキスパートが他のデザイン分野や業界に転職する際、異なるスキルセットや業界特有の知識が求められることが多いです。例えば、グラフィックデザインからWebデザインへの転職を考えた場合、DTPスキルだけでは不十分であり、HTMLやCSS、JavaScript、UX/UIデザインの知識が必要です。このため、DTPに特化したスキルセットだけでは他の分野に適応しにくいことがあります。

 

7. 経験値の偏り

DTPエキスパートとして長年働いてきた場合、そのキャリアの中で蓄積した経験が主に印刷物のデザインやレイアウトに偏ることが多く、デジタルコンテンツや新しいメディアに対応する柔軟性が欠けることがあります。そのため、転職先で求められるスキルセットにギャップが生じ、スムーズにキャリアを移行できない場合があります。

 

記事まとめ

DTPエキスパートが転職で役に立たない理由は、業界や技術の変化に適応できないことが多いからです。デザイン業界ではWebデザインやデジタルメディアに対する需要が高まり、従来の印刷物中心のDTPスキルだけでは転職市場で競争力を持ちにくくなっています。また、広範囲なスキルが求められるため、DTPに特化したスキルだけでは不十分な場合が多いことも影響しています。

転職を考えているDTPオペレーター・DTPデザイナーへ

実務経験の豊富なDTPオペレーター・DTPデザイナーは、新しい転職先を見つけるのは難しいことではありません。しかし、その場合は単純に「会社を変えるだけの転職」になります。さらに、会社を変えても「結局ブラック企業だった」なんて、DTP関連で転職した事がある人なら「あるある」だと思います。

 

そんな事にならない為には「マスメディアン」「BeCreator」など、転職エージェントに相談する事で新たな道が開けるかも知れません。転職エージェントは、客観的にあなたのスキルやキャリアを診断。そして普通の転職・キャリア転職・キャリアチェンジ転職、それぞれの可能性を示唆してくれるでしょう。

 

DTPオペレーター・DTPデザイナーなんて何処に転職しても同じでしょ?と諦めている人ほどエージェントを利用してみる価値があると思います。